家族の姿というのは、四季の移ろいのようです。
全くの他人であったはずの二人が一緒になり、共に笑い、ときに涙を乗り越え、家族という幹は姿を変えていくのでしょう。そして、奥にひそむ光と陰こそが、家族の姿をより一層輝かせているのかもしれません。
撮影にあたり、被写体の皆様に一つのお願いをさせていただきました。古道具やアンティークに、御家族それぞれの思いを託してもらったのです。それは、御家族の思い出や、これから叶えていく夢だったり、ただ一緒に時間を過ごせるという当たり前の幸せだったり。ときに、一緒に乗り越えられてきた経験や、築き上げてきたものだったり。それらの思いが古道具やアンティーク一杯に詰まっている様子をイメージして下さいと。
そうやって撮影を重ねていくと、私も一緒に楽しくなってきたり、時として、御家族の事情を少しでも事前に伺っていた場合には、ファインダーを曇らせながらシャッターを切ったことも何度かありました。
ひとつひとつ御家族の皆様と一緒に創り上げた作品です。どうぞ皆様ご自身の御家族の四季に思いを寄せながら、家族写真を楽しんでいただければ幸いです。